歴下亭の「オモシロイからナルホドまで」

古書店・歴下亭(Amazonマーケットプレイス)を営む「本の虫」のつぶやき。本・雑誌・音楽などなどのこと。

内田 樹「壊れゆく日本という国」

新聞はほとんど読まない。書籍広告と書籍関連記事が載っていたら、精読するが、なければペラペラめくっておしまい。ものの5分とかからないだろう。あとはテレビ番組表くらいか。たったそれだけのために1年間まとめて契約している。(が、もう一人、折り込み広告も入れて、たっぷり30分はかけて読みふけるのが家にいるからコスパOKか?)

でもたまに、ほんの月いちくらいの頻度で「新聞取っていて良かったかな」と感じる記事に出会う。今朝の(5月8日)17面、「オピニオン 壊れゆく日本という国=内田樹・寄稿」のような記事がそれだ。

内田樹はけっこう好きで、7冊ぐらい読んでいる。『日本辺境論』『こんな日本でよかったね』『下流志向』『疲れすぎて眠れぬ夜のために』等々どれもオモシロかった。論理展開やレトリックが独特・スリリング(!)で、しかも難解な事柄や書物を「要するにこういうことだ」と教示してくれる。とはいえ僕の浅い知識では理解不能な部分も多々ある。が、その辺はスルー。異色の辛口論客と位置づけている。

記事の内容を紹介するのが主旨ではないので、大きな見出しだけピックアップする。

<「企業利益は国の利益」国民に犠牲を迫る詭弁 政府与党が後押し><国民国家の末期を官僚もメディアもうれしげに見ている>の2本。

独自の視座から「流れを一望する」「大掴みに重点課題を要約する」。うまく表現できないが、それらをユニークな言葉の展開(僕にはそう感じられるし、オモシロイと評価するキモだ)で楽しませてくれ、学ばせてくれる。ナルホド・オモシロイ。

過去にも同紙に掲載された池澤夏樹原発関連、選挙関連の寄稿などオモシロくてナルホドな記事に出会い、当ブログで紹介しようと切り抜いてあるのだが機を逸してしまった。付け足しで失礼なのだが一応触れておきたい。

それにしても、「オモシロイ」と感じる記事がほとんど「寄稿」なのは、僕側の問題なのかそれとも…。