歴下亭の「オモシロイからナルホドまで」

古書店・歴下亭(Amazonマーケットプレイス)を営む「本の虫」のつぶやき。本・雑誌・音楽などなどのこと。

ウ~ン、この手があったか!「孤独のグルメ」避けて通れまへんな。

◆外食はいつも一人。酒は付き合いでしか、ほとんど飲まない。テレビは決まったものしか観ず、番組表などハナから無視。雑誌はというと「雑誌大好き」というブログを書いていながら小マメにチェックしてない。そんな怠惰かつ偏屈な生活のせいで『孤独のグルメ』の存在を3カ月前まで知らなかった。大いなる不覚である。だからといって反省や後悔はしないのだが(なんか態度わるいなあ)。

谷口ジローですよ、谷口ジロー夏目漱石石川啄木で魅せられ、犬や猫の話でホロリとし、狼に溜飲を下げたあの谷口ジロー。それなのに、ああそれなのに見逃していたとは…トホホ×2。ま、批評家でもねえし、すべてに気配りができるわけもないんでね、と言いつつ居直りきれないこのメメしさ。

◆食い物の情報には敏感だったつもりが(『DANCHU』『食楽』なんかかなりため込んでる)この数年、テレビのグルメ番組やバラエティの一部門と化した「食べ歩き」に辟易して遠ざかってしまった。このこと自体には別に悔いはないけど…。(だってアゴアシ+ギャラ付きのタレントの「めちゃくちゃウッメ~ッ!」「あ!ふわふわ~!」なんてコメント聞くの不愉快だし。それに食い物やってりゃソコソコ視聴率取れると高をくくってないかTV局も。ま、観るやつがいるから続くんでしょうが)。

◆欠かさず観ている「八重の桜」に出演し、最近ではCMにも顔を出している松重豊(ってこの間名前を知ったんだけど。そこがまたくやし~い)の独り言と食いっぷりのよさに注目だ。何よりもまず「静かさ」。ひとり飯の、聞かれる事を意識していないように作られている独白に、小気味良い食いっぷりが静かに進行する。キモはそこだろう。

◆しかし、ここまできてふと思った。「孤独のグルメ」という新企画を出す際に置かれた重心は、先ほど言ったお手軽&ワンパターン番組へのアンチテーゼじゃなかったのか。メジャー局が創り、多数が「アホラシ」とおもいつつだらだらと観てしまう要素を分析して、同じカテゴリーながら「まったく違うもの」を目指した結果だったのではないか。そんな気がしてきた。

◆ガキタレ→普通の社会人 複数出演ガヤガヤ→静かに一人飯 薀蓄をひけらかす→知ったかぶりを一切しない 何軒も一度に回る→仕事をして空腹のときに食べる、あくまで3食のひとつ 口に入れるまでカメラを意識した動きとオーバーなコメント→それを排除して僕らが普通に食べるように食べる。&コメントはせず独白も(アテレコ)控えめで即自的な感想を言う…等々並べていくとオモシロイ。

◆もちろんこれは僕の思いつきに過ぎないが、まんざら虚構でもなさそうな気もする。いずれにせよ明日の深夜も録画はmust。避けては通れない気がしている。