記憶のなかのパティ・ペイジ
◆まだ高校1年のときだったと記憶する。知り合ってすぐに意気投合した同じクラスの友人がいた。
あるときその友人が「姉が呼び屋(今で言う外タレを日本に呼ぶ商売→死語?)に勤めていてコンサートとかタダで見られるんだけど行く?」と誘った。AMの夜の番組を粗末なラジオで夢中になって聴き、洋楽の洗礼を受けたてのころだったので、二つ返事で同意した。
◆なにしろ初めて尽くしの、年長者の伴わないコンサートだ。期待と興奮は半端じゃなかった(とおもう)。場所は大手町の産経ホール。学ラン姿で中に入り受付に行くと、友人が姉上と思しき人からチケットとパンフレットを受け取り1部を僕に渡した。そこにあった名前がパティ・ペイジだった。
↓これがそのパンフレット
◆冒頭に載せた死亡記事(2~3カ月前の新聞からのキリヌキ)は、そのあたりのことをかなり具体的に思い起こさせた。が、今に至るまでパティ・ペイジの曲は2曲しか知らないし、自分から聴いたことはない。前から3~4列目の通路側に座っていたので、ステージから降りてきた彼女に握手してもらったことも記憶に生々しく残ってはいるが、残念ながら音楽としての魅力を感じさせるものではなかったようだ。
◆ついでだからそのときのチケット半券も紹介しようとさがしたら、サンケイホールのものが3枚あって、どれがパティ・ペイジのものかわからない。それにしても、今では疎遠になってしまったその時の<友人A>のことが案じられる。パティ・ペイジを介して表面化した「記憶の中の友人A」とタイトルを変えたほうがよさそうだ。