鍵泥棒のメソッド
内田けんじ監督の「鍵泥棒のメソッド」を鑑てきた。
最近は本数も激減したが「これは観たいナ」と思ったものは、極力足を運んで観るようにしている。映画が僕にとって娯楽の(範疇を超えているけど)大関であることはここ数十年変わらないのだが、感じることが少しずつ変化してきているようだ。
シネコンにはいつ行ってもワクワクさせられるのだが、問題は目当ての作品のスクリーンの前に座ってからだ。照明が落ちて「予告編」が始まる。こいつが退屈この上なく、本編に入る前に疲れて眠くなってしまう。
コースの料理を注文したとする。メイン・ディッシュがくるまでに「もうイヤだ」というくらい前菜が出てウンザリしてしまうような感じ。前菜はコースの料金に入っているからまだいい。「予告編」はTVでいえばコマーシャルだろう。でもTVを観にいっているのだはない。映画を観にいっているのだ。<本編を観るためにはコレを観ていただきます>は傲慢ではないか。1回ごとにお金を払って見に来る客をナメてないか。
もうひとつ、人件費削減のために置いたタッチパネルの操作性の悪さ。あとシートも硬く尻が痛くなってしまった。集客アップを期するなら、この辺の問題にも対処したほうがいいと思うが…。
映画を「娯楽の大関」と言ったが、関脇に格下げだな。ちなみに東西の横綱はナンと言っても本と音楽。
末筆になってしまったが「鍵泥棒のメソッド」、ナルホ度&オモシロイ度ともに期待通り。広末も前評判以上だったと思う。毎回、実にいいキャスティングだよな。